浅田次郎
つい最近までこの名前が視界に入るたびにアレルギー反応を起こしていた私。
それは 2004夏、
東京FMの番組「よんぱち」でのこと。
浅田次郎先生がゲストとして番組に登場。
浅田先生をご覧になった事がある方なら分ると思うけど、
その風貌ははっきりいって
ゴクドウ
大抵ゲストがスタジオに入ってからO.Aになるまでは挨拶したり、
軽く二言三言交わすのだけど、この時の会話は皆無
めずらしく、本当にめずらしく、メインパーソナリティの鈴木おさむさんも
何も言わない。
な、なんだ。この異常なまでに張り詰めた空気は
空気に呑まれ、私はビビリにビビッテいた。
あまりにも長すぎる数分が経過し
ディレクターがようやく私にキューを出す
まずはゲストプロフィールを簡単に紹介するところから
文字を読んでるというより記号が目に入ってきてるだけ
みたいな感じで
何を言ってるのかすら自分でもよく分ってない時って無いですか
普通無いか?
でも、この時に限ってそうだった
“今日のゲストは浅田次郎さんです。。。。。。鉄道員では植木賞を受賞し壬生義士伝では。。。。”
と、浅田先生の経歴をざっと紹介。
ふう。 ひとまずちゃんと紹介できた。
っっっっっっってできてないじゃ----------------ん!
“木夏さん
植木賞じゃなくて、
直木賞なんだけど。。。。。。”
おさむさんの呆れた果てた突っ込みが入った。
あんた今
直木賞を
植木賞と読み間違えた??
っていうか どうやったらこれを間違えられるわけ?
しかも言われるまで気づかなかったの?
そう。私はいとも簡単にプレッシャーに負けて、
その上とんでもないミスを犯してしまったのだ。
軽く酸欠状態に陥った
バカをやるにも程ってもんがある
とりあえず、その場では誤り倒したのだけど、
ゲストコーナーの20分間、自分で何を話したか全く覚えていない位
頭が真っ白に
大好きな人にふられた時より、
線路にお財布を落とした瞬間に電車の扉が閉まった時より
凹みにヘコんだよ。。。。
しかし、なんと後日担当の方から番組宛にお手紙が届いた。
その内容はこんな感じになっていた。
実は私があまりにもアホすぎる失敗をしたせい(おかげ)で
“先生の緊張もほぐれ、楽しい時間が過ごせた“というものだった。
わからないもんだ。だからといって二度とはしたくない事だけど。
とはいえ、浅田次郎という名前を見ると
このときの恐怖が常にフラッシュバック
すると あるとき、JALに乗って機内誌をぺらぺらめくっていると、
ん!?
恐怖の文字が。。。
“浅田次郎”
なんと、機内誌に連載を持っていたのだ。
でも、なんだか知らないけど(空を飛んでいたからか、あまりにも暇だったからか)
これを読まないとこの恐怖は乗り越えられない気がして
恐る恐る目を一行ずつ動かしていくと。。。
これが実に面白い! 浅田先生が海外に行ったときの事が書いてあるのだけど
ユーモアと風刺が絶妙な感じで混ざってて
つぼにはまりまくりだぁ~~~
それ以降、私は浅田次郎という作家に魅了されてしまった
ちなみに、今読読んでる
"勇気凛凛ルリの色四十肩と恋愛”っていうのもおもしろいよ!
こんな感じで最初印象が必ずしもよくないものでも
何かのちょっとしたきっかけで真逆になる事がある。
むしろ、大好きになってしまうものって
こういうきっかけから入ったものが良くあるのかなぁって最近思う
最初とは違うギャップにやられちゃうってのもあるだろうな
そんなこんなで、このところ第一印象にあまりとらわれなくなった私
ちょっとリスキーな出会い方かもしれないけど
記憶にずーっと残る出会いである事は間違いない